令和02年(2020年)沖縄遺骨収集奉仕活動

2月15日 金光教那覇教会による遺骨収集

金光教那覇教会による有志が集っての遺骨収集が実施されました。期日は2月15日(土曜日)と16日(日曜日)の二日間実施との事でした。金光教那覇教会主催による全国規模の遺骨収集奉仕活動は、平成28年(2016年)の第43回をもって終了しましたが、那覇教会による有志が集っての遺骨収集は、今でも続いているのですね。

と言う事で、有志の方々が取り組まれた遺骨収集の様子を、当サイトに掲載する機会を得ましたので、皆様にご紹介致します。金光教那覇教会のメンバーだけでなく、本土からも熱烈な有志が参集されたとの事で、天候に恵まれた中での遺骨収集作業を実施、ご遺骨も見つかった様ですよ。どうぞご覧下さい。(^o^)

 

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.1

金光教那覇教会では、平和祈念公園内の黎明之塔上がり口付近からジャングル内に入る予定を立てたと言います。なぜこの場所なのかと言いますと、糸満市が主導して毎年摩文仁でゴミ収集が実施されているのはご存じでしょうか。今年も1月に、糸満市がボランティアを全島から募って、クレーン車を導入するなどして大規模にゴミ収集が為された場所がこの付近だという話です。

つまり金光教那覇教会の林先生のお考えは、「糸満市によるゴミ収集によりゴミが除かれた大地は、まだ一度も遺骨収集が為されていない場所と考える事も出来る。そうした場所を中心に遺骨収集に取り組ませて頂こう」という事の様です。このお考えを聞いた時に、私はなるほどなと感じました。ゴミ清掃のボランティアの方々は、戦没者ご遺骨が露出していれば、勿論収集されるでしょうけど、ゴミ収集した後を掘る事はありませんので、そうした場所をメインに取り組まれるのは、とても合理的だなと感じました。

と言う事で金光教那覇教会有志メンバーによる、今回の遺骨収集作業はこの場所から降りる計画がされた様です。ご覧の様に序盤は大変な急傾斜面でしたから、安全確保の観点から、縄ハシゴをしっかりとセットしてから降りる様にしました。こうした措置により全員安全に上り下りが可能となりました。(^o^)

因みに糸満市主催による摩文仁地域ゴミ清掃は、これからも毎年実施される様です。100人程度のボランティアの募集も行っていますから、興味にある方は市報などに注目です。摩文仁ゴミ清掃などと言うのは、通常あり得ない面白い作業だと思いますよ。独特で興味深い作業ですから、地元の方はぜひ参加してみて下さいませ。因みに来年の摩文仁ゴミ清掃は、コロナの影響で中止が決まっている様ですから、ご注意下さいませ。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.2

参加メンバーの皆さんが安全に降りられるように、虎ロープ等を設置するなど準備が着々と進んでいます。ここは縄ハシゴで10m程降りた段階での付近の様子です。若干急傾斜が緩和されているのが見て取れます。それでも十分注意しながら移動しないと滑落の恐れがなきにしもあらずですね。幸いに最近は雨が降らず、地面が乾いているので大いに助かりました。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.3

全員縄ハシゴ下の緩斜面に集合出来たので、まずはクマデ等で地面に探りを入れてみる事となりました。ここは糸満市のゴミ清掃が為されていない場所です。ご覧の様に皆さんが思い思いの場所で探し始めました。参加されている方々は超ベテランメンバーですから、皆さん無駄のない動きをしています。こうして見ても、かなりの急な斜面ですね。当然の事ながら、上の人は下に石を落とさない様に注意して作業を進めます。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.4

右側に立っている方が那覇教会長の林先生です。皆さんがクマデ等で土を掘り返してみると、戦後の慰霊祭などで使用されたゴミがかなり堆積している事が判明しました。一見ゴミが無いように見えますが、多くのゴミが風景に溶け込んでいると言う状況ですね。ご遺骨はこのゴミの下にあるはず。このゴミをどう対処するか‥‥。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.5

ここは糸満市がゴミ収集した場所です。未回収の部分とが断層の様になっています。空き缶空き瓶と友に大きな岩もかなり混じっています。恐らく慰霊塔建設に伴い、残土をこの崖下に捨てたのかも知れません。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.6

ここも糸満市がゴミ収集した場所です。未回収の部分とが見事に断層の様になっています。驚くほどの厚みでゴミが堆積しているのが見て取れます。ゴミを観察すると空き缶空き瓶が多いですね。林先生が仰る様に、ゴミが堆積している場所と言うのは、戦後一度も遺骨収集が為されていないという事を意味していると言う事で、メンバーの皆さんが堆積するゴミを移動しながらご遺骨を探されたそうですよ。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.7

ご遺骨が発見されました。(^o^)
ゴミを移動しながらの大変な作業なのですが、ご遺骨が見つかり始めました。白っぽい大きな骨は右肩の肩甲骨です。この発見により、この付近に戦没者のご遺骨があると思われます。ゴミの片付けに追われていた皆さんも勇気づけられ、俄然頑張り始めました。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.8

手足の細かいご遺骨も皆さんの頑張りで数多く見つかりました。75年ぶりにゴミの下から日の光を浴びられたと言う事で、御神酒と水をお供えしました。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.9

オー。ご遺骨ですね。完全に地面に埋まっていましたが、少し掘ったら露出して来ました。歯の並びが見えるという事は‥‥。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.10

やはり下顎骨でした。遺骨収集に携わる私達には、部分的であっても頭蓋骨もしくは頭蓋骨の部分が見つかると、やはり特別な思いがこみ上げてきますね。金光教の運営委員会時代の時も、参加された皆さんが同じ事を語っておられました。いずれにしても、頭蓋骨の一部即ち歯一個でも発見されると、遺骨収集をする人達には、とても嬉しく感ずる瞬間でもあります。下顎骨はゴミ山の下にあったせいか、常にジメジメした湿気の中に居られたのでしょう、全ての部分が飴色をしています。75年の歳月を経ている為もあるでしょうが、強い湿気により歯が全部抜けてしまったのかも知れませんね。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.11

この場所は糸満市によるゴミ収集が為されていない場所です。これもご遺骨の様ですね。遺骨収集をされている方なら、この状態を見ただけでご遺骨と解るはずです。肩甲骨と接する上腕骨頭の部分が見えていますから、腕の骨である上腕骨ですね。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.12

こちらは掘ったら出て来ました。ご遺骨全体が見えていますから、どの部位なのか問題なく判断できます。膝から下の骨である脛骨の様です。これで腕と足の骨が発見されましたね。

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.13

今次金光教那覇教会有志メンバーの皆さんによる、遺骨収集作業で発見され収集されたご遺骨です。頭蓋骨から足先まで一応揃っている事や、一定の範囲内で収集された事からしても、同一の戦没者という事もなきにしもあらずです。急斜面であるが故に、下へ下へと散在してしまったのかも知れませんね。有志メンバーの皆さん全員でミニ慰霊祭を執り行い、戦没者のご冥福をお祈りしました。

御霊様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。m(_ _)m

令和年(2020年)1月19日/沖縄遺骨収集の様子no.14

金光教那覇教会の林先生は、「灰燼に帰し、全くの無から出発した沖縄は、目を見張る発展を続けているが、その陰に二十五万余の戦没者があり、それら多くの御霊様が眠るお土地の上に今の沖縄がある事を忘れてはならないと思う」と常々語っておられました。

林先生は昭和49年ですから、今から46年も前からこうした使命感にも似た思いに駆られて、沖縄遺骨収集に取り組んで来られた方なのでした。今現在もこうして林先生と志を同じくする人々が集い、沖縄の大地が清められん事を願いつつ遺骨収集に取り組まれています。

写真は今回の那覇教会による遺骨収集に参加された有志メンバーの皆さんです。ご遺骨も発見され、仕事をやり終えたと言う満足感に満たされたお顔の皆さんでした。同窓会の様な懐かしい顔ぶれの皆様が参加されたのですね。ご参加お疲れ様でございました。(^o^)

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